当サイトでは海外e-sportsチームの様々な資金調達方法について記事を掲載してきました。主にファンド等からの投資によるものですが、資金調達の1つの手段として存在するクラウドファンディングとe-sportsとの関わりはどうなのでしょうか。
ゲームタイトルの開発の財政的支援の方法としてクラウドファンディングを活用するというのは、すでに数多く行われています。ただe-sportsチームの投資源としては現状ではクラウドファンディングを利用したものよりも、ベンチャーキャピタルや著名セレブ等からの民間投資といった資金調達が主となっています。
しかし昨年くらいから、積極的にクラウドファンディングを活用するe-sportsチームも現れてきました。イギリスに拠点を置く有力e-sportsチームである「fnatic」は昨年Crowdcubeを活用したクラウドファンディングキャンペーンを行い、4000人から200万ポンド(約2億9600万円)を集めました。
同チームはすでに世界的にブランド力のあるチームであり、スタートアップの資金需要を賄うというわけではなく、ファンとのエンゲージメントをより高めるためといった、どちらかというとマーケティング的な側面に注力した取り組みでありました。なお、fnaticは同時期に投資資金調達ラウンドで1000万ポンド(約14億8000万円)を調達しています。
fnaticに続いて、e-sportsチームによるクラウドファンディングの取り組みが今後増えていくのかどうかはまだわかりませんが、他のプロダクトで行われているクラウドファンディングのようにスタートアップ資金を賄う為というよりは、チームのファンやオーディエンスの収益チャネルの一つとしてクラウドファンディングを活用するといった動きが今後目立ってくるかもしれません。
参照サイト:https://www.esportsinsider.com/2021/01/the-growth-of-crowdfunding-in-esports/
文責:土田耕平