e-sports2021年ビジネス予測

「Newzoo」で2021年のe-sportsビジネス予測の記事があったので、紹介をしていこう。再来年のe-sports市場はどのようになっているのだろうか。

まず、e-sportsの市場規模は17億ドル(約1700億円)と予測している。2018年の市場規模が大体10億ドル(約1000億円)と算出されているので、およそ2年で170%になると予測している。
そして2年後のe-sports市場は以下のようになっていると予測されている。

①米国の主要メディア・コングロマリットはe-sportsのメディア権利を保有する
すでに、Disney、Comcast、AT&Tなど米国のメディア・コングロマリットは既にe-sportsのコンテンツ配信の権利の獲得を検討している。
ユーザー、視聴者層の大多数を占める若い消費者の関心を得るために、多くのメディアの現場で今後権利獲得の動きが活発化する。

②e-sportsはゲーム産業が他の伝統的なスポーツ競技よりも大きな産業となる手助けをする。
世界のゲーム市場は2021年までに1801億ドル(約18兆円)の市場規模となると予想されている。
多くのブランドが若い人口層にアピールするためにe-sportsに投資を行い、また消費者もいわゆる競技的側面以外の所で e-sportsを見るようになっていくことにより、ゲーム産業の成長にe-sportsが大いに寄与する。

③e-sportsはオリンピック競技にはならないが、e-sportsへの関わりは持つ
e-sportsは現在のフォーマットの夏・冬のオリンピック競技とはならない。
そのかわりにe-sports専用のオリンピック競技が開かれる。

④「e-sports」という用語は消え始める
今の所、e-sportsという単語は、包括的に使われているがゲーム産業の更なる伸長により、個々のe-sportsゲームタイトルの違いの認識がされるに従って、「e-sports」という用語の使用は減少していく。
「e-sportsの大会」ではなく、「League of Legendsの大会」として、名前を呼ばれるようになっていく。

⑤最高収入を得るチームの総収入金額は1000万ドル(約10億円)以上となる
スポンサーシップ、メディアの権利、チームの関連商品の販売など、トップチームの年間収益は1000万ドルを超える。

⑥モバイルe-sportsの選手は一つのイベントに優勝することによりミリオネア(億万長者)となる

⑦最初の年間1億ドル(1000億円)規模のメディア権利の取引が行われる。

⑧EUの伝統的なスポーツのアプローチにのっとり、最も人気のある3つのe-sportsタイトルは組織化された国内大会を催し、それが国際イベントに繋がるようにしていく。

⑨世界で企業価値の高い10のブランドがe-sportsをスポンサードする。

⑩e-sportsはラグビーよりも多くの収益を生み出す。

また、このnewzooの記事では2015年に予測した内容が具現化したかどうかについても書いているので、そこも紹介しよう。

①世界のe-sports市場は2017年前でに4億6500万ドル(約465億円)となる。
→はい。2017年の市場規模は6億5500万ドルと大きく上回りました。パブリッシャーの投資やメディア権ビジネスの 急速な普及によるものです。

②2018年にe-sportsの市場規模はWWEを上回る
→はい。WWEの収益は8億8100万ドル(約900億円)に達すると予想されていますが、e-sportsは9億5000万ドル(約1000億円)と想定しています。

③より大きな広告予算を活用するには、従来のスポーツと同様に、地域、国、そして世界レベルで大会などが開催される必要がある。
→一部はい。地域レベルでの大会へのスポンサードなどの動きはまだ非常に限定的。

④数百万ドルの規模の賞金が絡むので、不正行為防止や対戦マッチングの為に新しい規則や規制が必要となる
→はい。「Esports Integrity Coalition」https://www.esportsintegrity.com/などの組織により、不正行為や詐欺に対する対策、措置が講じられました。

⑤e-sportsによるダイレクトな収益が増加して、パブリッシャーはコンテンツ権についてより注目するようになる。
→はい。Twitchが最近OverWatch Leagueの独占デジタル配信権(英語、フランス語、韓国語)に対して、年間4500万ドル(約45億円)を払ったことなどから、
パブリッシャーは同じ様な巨額の取引が出来ないか検討している。

いかがだったでしょうか。
「e-sportsはオリンピック競技にならずに専用のオリンピックゲームが開催される」、「e-sportsという用語は消え始める」など、当編集部でも少し掘り下げていきたいトピックがありましたので、個別にコラムなどで取り上げていく予定です。

文責:土田耕平