2020年市場予測見直し

以前、Newzooによる2020年のe-sports市場動向をレポートしましたが、コロナ禍の影響を受けて、改訂数字が発表されました。今回はそれを取り上げます。

本年の市場規模予測は下方修正を行い9億7390万ドル(1033億円)となっています。従前予測は初めての10億ドル超えの11億ドルとなっていました。
なお、2021年予測は11億9480万ドルとしています。

この下方修正は、e-sportsに対する需要やコンテンツの減少に起因するものではなく、世界規模でのe-sportsイベントの中止や延期、オンラインベース開催への移行などによるものであるとの事です。
各種イベントの中止・延期によりグッズやチケットによる収益規模が7620万ドル見込み(当初予測1億2000万ドル)となるのが大きな要因です。
この数字は2019年対比でもマイナスであり、当初予測よりは下振れするものの対前年比では若干のプラスであるスポンサーシップ収益等と比べると落ち幅が目立ちます。尚、市場全体の数字は2019年対比で+1.7%とわずかながら上回っています。

e-sportsにあまり携わっていない方から見ると、他スポーツのようなリアル会場での大会というのはあまりピンとこず、むしろ巣ごもり消費で盛り上がっているのではないかと思われるかもしれませんが、e-sportsでも決勝戦等は大会場を借りて数万人の観客(そして数百万人のネット視聴者)を集めて行います。
そしてその大会を軸に競技シーンが展開されるので、現在のように大会が開催出来ない状況が続くと市場全体へのダーメージも大きくなります。
それでも対前年比では若干のプラスで着地する予測というあたりは、やはり他スポーツに比べてオンラインで行える強みというものが出ていると言えます。

今後の社会情勢によっては、この予測数字の更なる修正も起こりえます。
当サイトでは引き続き適宜紹介していきます。

参照サイト:https://newzoo.com/insights/articles/esports-market-revenues-2020-2021-impact-of-covid-19-media-rights-sponsorships-tickets/

文責:土田耕平