みなさんはデンマークという国にどんなイメージを持たれているでしょうか。
実はこの北欧の国はe-sports先進国の一つです。昨年の世界のe-sports国別獲得賞金金額では、米国・中国・韓国に続き第4位(約10億円)となっています。
デンマークの人口は570万あまりと、日本と比べてはるかに少ないですが、「FIFA Interactive World Cup」で優勝したAugust “Agge” Rosenmeier(アゲ)や「League of Legends」のプロプレイヤーSoren “Bjergsen” Bjerg(ビャーグセン)など、世界を代表するトッププレイヤーを輩出しています。
これらのトッププレイヤーに憧れる若者たちが、みな切磋琢磨して次々と実力のあるe-sportsプレイヤーとなって、現在のデンマークのe-sportsプロチームでは抱えきれないほどだといいます。
では、何故これほどデンマークでは、強いe-sportsプレイヤーが生まれるのでしょうか。
要因はいくつかありますが、その一つにプロサッカーチームをモデルケースにした、選手の発掘と育成のシステムがあります。
「Tricked Esport Academy」というe-sports教育施設(コペンハーゲンから2時間の距離にある中都市ヴァイレの複合大学施設Campus Vajle内に設置)は、自分たちの施設で教育したe-sportsプレイヤーを、強豪e-sportsチームに送り込んでいます。
デンマーク国内のいくつかの中学にチューター(個別指導員)を置き、早いうちから才能のある若者を調査して、その子が入学希望を出す前にすでにある程度の下準備は済んでいる状態でアカデミーに入学させています。
そして入学後はそれぞれがプレイするe-sportsタイトルに必要な知識とスキルを学ばせています。
既存の伝統的なスポーツと同じような事を、学校機関と連携して行うことが出来る。「e-sportsを部活動にするのはいかがなものか」などと言っている日本との温度差が何ともすさまじいものです。
「Tricked Esport Academy」はこのような取り組みが功を奏して、2015年の設立当初には15人だった生徒が、現在では200人を超えているそうです。
世界的に強い選手がいて、その次を担う若者が続々と出てくる仕組みが出来上がりつつあるデンマーク。これからのe-sportsシーンで注目する国の一つかもしれません。
参照サイト
https://www.redbull.com/jp-ja/copenhagen-denmark-esports-academy-tricked?linkId=67616478
https://www.redbull.com/int-en/videos/AP-1VJ2FX5K12111
文責:土田耕平