e-sportsとオリンピック③

一時期、停滞していたe-sportsのオリンピック競技採用のトピックですが、また少し状況が変わるかもしれません。
新型コロナウイルスにより世界中であらゆるスポーツ大会が開催出来ず、更に東京オリンピックも来年に延期(来年出来るのかどうかも不確定ですが)といった状況をうけて、先月IOCのホームページで発表されたバッハ会長のステートメントで、各利害関係者に“早急に”競技の電子化、仮想化形式の運営を検討して、各ゲームパブリッシャーとの連携の機会を探るようにという意見が掲載されました。
このステートメント自体は、コロナとオリンピック全体について、様々な意見を掲載しているもので、e-sportsについては「SOCIAL IMPACT」という項目の中の一部として取り上げられたものであって、e-sportsそのものをテーマとしたステートメントではありません。
ただ、いわゆる「ソーシャルディスタンス」が、これからも必要とされる世の中の状況において、今までと同じ競技運営方法では、オリンピック運営が成り立たないという意識から、e-sportsについて言及したのだと思われます。

元々、e-sportsと相性の良かったモータースポーツではシーズンが開幕出来ない状況で、各運営団体主催のe-sportsレーシング大会が開催されて、プロレーサーがゲーマーとともに参加しています。
またプロテニスも先月「テニスワールドツアー」というゲームを利用した、「マドリードオープンテニス バーチャルプロ」という大会が開かれて、ラファエル・ナダル選手や錦織圭選手も参加していました。

今までのe-sportsのオリンピック競技採用は、「既存のゲームタイトルでプロゲーマーがオリンピックに参加する」という立て付けで考えられていましたが、世界的な情勢変化によって、今後は違ったアプローチでe-sportsとオリンピックの歩み寄りが、行われるかも知れません。

参照サイト:https://www.olympic.org/news/ioc-president-bach-writes-to-olympic-movement-olympism-and-corona
https://jp.sputniknews.com/sport/202004297409154/

文責:土田耕平