e-sportsスポンサー企業事例

e-sportsのエコシステムの中でも重要な役割を担う、スポンサー企業について触れたいと思います。
世界的に市場規模が大きくなっているe-sportsには実際にどんな業種、企業がスポンサーをしているのでしょうか?
一般的なイメージとしては、ゲームプレイ環境に直結するPC周辺機器メーカーが多いように思われますが、それ以外にもどんなメーカーが参画しているのか。
また、日本と海外での差異はどのようなものかを主に大会をスポンサーしている企業・ブランドを中心に調査・検証していきたいと思います。海外の大会を中心に調べた所、スポンサー企業は下記のような業種に大別出来ます。

◆PC周辺機器メーカー
日本でも馴染みのある企業は下記の通り。
AMD、ASUS、BenQ、Intel、logitech、msi等々

メーカー名だけ聞いてもピンと来ませんが、パソコン用チェアメーカーやヘッドフォンのメーカー/ブランドも多いようです。
DXRACER、NEEDforSEAT、Turtle Beach等々

◆飲料メーカー 
コカコーラ、マウンテンデュー、レッドブル、volvic等々

◆メディア/IT企業
Canal+(フランスの有料民間テレビ局)、newzoo、Twitch、Xfinity(アメリカのケーブルTV局)等々

◆その他大手メーカー/ブランド
日本でも知名度の高いメーカーが参画しています。
adidas、エアバス、Audi、メルセデスベンツ、Mobil1、vodafone等々

決済企業やトーナメントシステムを提供している会社も多く見受けられます。
Betwayというオンラインベッティング企業もスポンサー実績があるようです。
また、香水やひげ剃りメーカーなど、一見e-sportsとは直接関係がないような企業・ブランドも含まれているのが面白いところです。
例えばLeague of Legendsの「2018 World Championship Final」といった大きな大会になると配信のユニークビューワー(重複なしの視聴者数)が9,960万人、最大同時視聴者数が4,400万人といった、とてつもない視聴者数になりますので、広告効果を見込んで様々な会社がスポンサーを行います。

その一方で日本のe-sportsの大会スポンサーを見てみると、PC周辺機器メーカー以外ですと、コカ・コーラなどのドリンクメーカー、FUJITSU、au、WebMoney、BIGLOBEなどいわゆるIT、Web系企業が多く、海外に比べると業種の厚みや広がりという面ではまだまだ途上の段階のように見受けられます。
市場が活性化してオーディエンスが増えないとスポンサーは増えない、しかしスポンサーが増えないと規模も大きくならないと「鶏が先か卵が先か」みたいな議論になってしまいますが、幅広い業種の会社が今後e-sportsの大会に参加してもらえるような市場作りが求められると思います。

文責: 神名秀紀