e-sports界隈で使われているけれども、一般では使われていなくて意味がわからない、そんな言葉をなるべく平易に説明して、当サイトに来られる方にe-sportsについて少しでも知見を深めていただきたい、今日のコラムはそんな内容です。
今回は「pay to win」を取り上げます。
pay(支払う)、to win(勝つために)、つまりお金を支払って(課金)して強くなるという事です。
言葉としては元々あった「Free to Play(F2P)」を捩ったものです。
「Free to Play」は2000年代にオンラインPCゲームから始まったいわゆる「基本プレイ無料」のゲームの英語圏での呼び名です。
日本でも2000年代半ば位からPCオンラインゲームで、この「基本プレイ無料+アイテム課金」というビジネスモデルのゲームが増えてきました。
ただし一般的には「モバゲー」や「グリー」のガラケー時代のゲームで、この「基本プレイ無料(Free to Play)」というゲームのあり方を知った方が多いのではないでしょうか。
スマホアプリゲームの時代になっても、このF2Pの流れは変わらずに続いています。
もちろん、開発者/運営者は無料提供ではビジネスにならないので、アイテムの販売等によって収益を立てています。
このアイテム課金の方法としていわゆる「ガチャ」があり、それこそモバゲー、グリー時代から、色々と世間を騒がせたのを覚えている方も多いかと思います。
「pay to win」はアイテム課金をすることにより、自キャラの強化が出来て、それによってゲーム内で勝つことが出来るタイプのゲームに対する呼び方です。
例えば「格闘ゲームでアイテムを買ってそれを装備したらキャラの攻撃力が10倍になる」といったイメージで考えて頂けるとわかりやすいかと思います。
アイテム課金であっても、例えばスキルの無い装飾品やスキンなど、キャラの能力に影響しないものの販売ならば「pay to win」タイプのゲームとは呼ばれません。
仮にそういった「pay to win」タイプのゲームが、そのままe-sportsの大会を開いても、「お金をかけた人の勝ち」となってしまうので、大会用のノーマルキャラを使うように設定するなどの工夫はしていますが、やはり「お金をかけたら強くなる」ゲームでのe-sports大会というのはどうなのかという見方もあり、「でもあのゲーム、pay to winだしなぁ」というような使われ方をしています。
昔のようにパッケージ販売のみのモデルだったら、このような事は起きなかったのですが、新しいビジネスモデルによって顕在化した事象と言えるでしょう。
文責:土田耕平