e-sports界隈で使われているけれども、一般では使われなくて意味がわからない言葉を、なるべく平易に説明して、e-sportsにこれから携わる、あるいはその可能性がある方に、e-sportsについて少しでも知見を深めていただきたいコラム、今回は「MOBA」を取り上げます。
言葉としては「Multiplayer Online Battle Arena(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)」頭文字4文字を取って「MOBA」と呼ばれています。
なお、モバゲーとは関係ありません。「格ゲー」のようなゲームのジャンルを表す語句です。
マルチプレイヤーというように、複数のプレイヤー(大体5人程度)で一つのチームを作り、チーム同士でオンライン上で戦い(バトル)ます。戦闘マップは箱庭のような小さなフィールド(アリーナ)です。ゲームの勝利条件は「敵陣地を破壊すること」となります。
そのためゲーム中の個々のプレイヤーの勝った、負けたでは(もちろんその積み重ねで勝利は決まるのですが)、すぐにゲームの勝敗は決まりません。それぞれの本拠地へのルートは(一部例外のゲームもありますが)3つあり、どのルートをどのメンバーで攻めるか、そして敵チームの進行をどうやって防御するかなどをゲームの進行状況に応じて、リアルタイムに戦略を練ってみんなで戦います。
ぱっと見のゲームの雰囲気はアクションゲームっぽいですが、シミュレーション的な要素が強いです。敵と戦いますが攻撃対象を指定すれば、そのままずっと攻撃しますし、スキルを使いたい時にはアイコンをクリックすればいいので、格闘ゲームのような複雑な操作はありません。倒されても一定時間をおけば復活するので、倒されたら自分だけやることが無くなってしまうというような事はありません。
チームメンバーの特性や特技、対戦チームの特性などを読みながら、いかに自陣地を守り相手陣地へ侵入していき、本拠地を陥落させるかをチームプレイで競っていく。そんなゲームジャンルです。
この「MOBA」がなぜe-sports業界でよく使われるかというと、「DOTA2」や「League of Legends」など、e-sportsの代表的な人気タイトルのジャンルが「MOBA」なのです。
世界的には人気のゲームジャンルなのですが、ゲーム画面をぱっと見ても、何をしているのか、どちらが勝っているのかわかりにくかったり、PCベースであったり、チームを組まないといけなかったり、また国産タイトルがあまり無いなどといった要因で日本ではあまり認知度、普及度が無い状況です。
ただ世界ではMOBAの月間プレイヤー数は1億人を超えており、「MOBA」はe-sportsを代表するゲームジャンルとなっています。
文責:土田耕平