先日発表された「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート2020」にe-sportsに関する項目がありました。そこを読んでいて、やはり日本でのe-sportsに対する意識は諸外国と比べて独特なのかなと思いましたので今回はそこに触れていこうと思います。
「e-sports」自体の認知度は、さすがに名前を聞いたことがある程度までという人を含めると、9割を超えています。ここ1~2年マスメディアでも「e-sports」を取り上げる事が多くなったので、「ゲームの大会?なんか賞金とか出るんでしょ?」という程度までは多くの人に知られるようになったようです。
しかし認知度が上がったから、興味を持つあるいは自分もやってみよう、観てみようという人の割合が大きく増えたかというと、やはりそこまではいかずに「言葉だけ知っている」という人が増えただけという厳しい見方も出来ます。
このあたりはプロテニスの大坂なおみや錦織圭のようなスタープレイヤーが日本人e-sportsプレイヤーから現れるといったブレイクスルーが無いと難しいのかもしれません。
けれども子供の将来の夢にプロe-sportsプレイヤーがランクインしたり、プレイ動画を視聴するユーザーの人が増えたりという流れもあるので少しづつ進んでいくのでしょうか。
e-sportsでプレイしたいジャンルという設問には、世界的にe-sportsで遊ばれている「FPS」や「MOBA」を上回り、「スポーツ」ゲームのジャンルが一番選ばれており、また「パズル」も人気でした。やはり「スポーツ」という言葉に引っ張られるのでしょうか、野球やサッカーなど既存スポーツをゲーム化したものがe-sportsという意識が強いようです。
プレイしたいタイトルも「LOL」や「Dota2」、「COD」などはあまり人気が無いです。ただ「フォートナイト」は若年層を中心にしてかなり支持率が高く、このあたりのフォートナイトの人気は実際にすごいものであると数字からも伺えます。
e-sportsに興味が無い理由という設問に対する回答で「ゲームがスポーツだとは思えないから」というのがかなり上位に来ていて、以前当サイトに掲載した「体育文化が阻害する?日本のe-sports」で書いたような「スポーツ≒体育」という意識による、「e-sportsはスポーツじゃない」という見方が相変わらず強いのが感じられます。
全体的にやはり日本のゲームシーン独特なe-sportsの市場性があるともいえるいくつかの指標が読み取れます。
「世界はこうだから日本のe-sports市場もそこを目指さなくては」というのではなく、まだまだ日本のゲーム市場は大きいのですから、日本人の特性にあったe-sportsのあり方といったものが産み出されることを期待したいです。
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文責:土田耕平