先日の東京ゲームショーで行われたe-sportsイベント「e-sportsX」で、あるゲーム大会の優勝賞金500万円が10万円になった出来事があり、大会終了後に色々な立場の方が、それぞれの見解を述べていたのは、みなさんご存知かと思います。
“日本でもe-sportsを盛り上げていこう”という時に、必ず問題になる「高額賞金と法律」のあり方が、今だにクリアになっていない象徴的な出来事でした。
では、諸外国ではこの点はどうなっているのでしょうか。
編集部では中国と日本との間で、10年以上にも渡りゲームビジネスの橋渡しを行われている、友金通商株式会社 代表取締役 張勇さんに、中国の状況を伺ってみました。
張さんによると「日本に於いてのe-sportsは、”ゲーム商品という販売物”を基準にしているようですが、中国では”スポーツ”を基準に考えています。実際に中国でe-sportsを管理しているのは「国家体育総局」という政府機関で、他のスポーツと同じ扱いになっています。ですので、賞金に関しても一般的なスポーツの優勝賞金と同様に考えられています。」との事です。
ちなみに中国の国家体育総局は2008年にe-sportsを第78番目の正式スポーツ項目にしています。
国家体制がまったく違いますので比較は出来ませんが、国別e-sports獲得賞金金額で米国と1・2を争うe-sports先進国の中国では、政府公認の上でe-sportsが認められており、日本のように間尺にあわない法律と自主規制で賞金金額がどうだこうだという問題そのものが起きないようになっています。
「e-sportsはスポーツか否か」、「賞金と景表法、風営法など既存法とのすりあわせ」などといった日本でしか起きない問題が早くクリアされて、他の国と同じ土俵でe-sports市場が盛り上がっていくことを念じてやみません。
文責:神名秀紀