e-sportsチーム収益多様化への取り組み

世界的に1000億円規模の市場となっているe-sportsですが、その中核を担うe-sportsチームは今、収益の多様化に取り組んでいます。
現状、e-sportsチームは収入の大部分をスポンサー収入に依存しています。
一例をあげるとCounter-Strike:Global Offensiveチームが有名なデンマークの有力e-sportsチームグループであるAstralisグループの総収入(約5150万デンマーククローネ:約9億円)のうちスポンサー収入はおよそ66%の約3399万デンマーククローネ(約6億円)となっています。
他のスポーツですと例えば2020/21シーズンのプレミアリーグサッカークラブのスポンサー収入は総収入の約25%しか占めていません。一方放映権は総収入の約69%を占めています。

こういった収益構造を是正するために、例えばImmortals Gaming Clubはラテンアメリカのコミュニティとマッチメイキングプラットフォームを担っているGamers Clubを買収しました。
他にもe-sportsのコーチングや分析会社などe-sportsに関連する事業会社をe-sportsチームの運営会社やグループが買収する例がここ1年ほど増えています。
参考サイト①TSM parent company acquires software and branding of Blitz Esports desktop app
参考サイト②T1 Entertainment & Sports invests in esports analytics startup Mobalytics)

また熱狂的なチームのファンをマネタイズするために北米の組織であるCloud9やTeam Liquidはデジタルプラットフォームを作って収益化を図っています。
他にも対面店舗を構えるチーム、プロプレーヤーによるゲームキャンプのアプローチを図るチームなど、スポンサー収入と投資家による資金調達への依存度を下げるために様々な方法が模索されています。
日本はまだどこがスポンサーに付きましたといったニュースが多いですが、e-sports関連産業を含めた幅広いビジネスのスキーム作りがもっと行われるようになるといいですね。

参照サイト:https://esportsinsider.com/2021/06/esports-revenue-streams-teams/

文責:土田耕平