e-sportsとオリンピック⑥

先日IOCからe-sportsのタイトルを競技種目とする「Olympic Virtual Series(OVS)」が発表されました。全5種類の種目がラインナップされて全て当該種目の国際スポーツ連盟と提携しています。

OVSで行われる種目は以下となります。(※提携スポーツ連盟、ゲームタイトル名の並びです。)
・World Baseball Softball Confederation (WBSC)
  -eBaseball Powerful Pro Baseball 2020, Konami Digital Entertainment
・Union Cycliste Internationale (UCI)-Zwift, Zwift inc.
・World Rowing-Open format
・World Sailing-Virtual Regatta, Virtual Regatta SAS
・Federation Internationale de l’Automobile (FIA)-Gran Turismo, Polyphony Digital
「パワプロ」、「グランツーリスモ」と日本のゲームタイトルが2つも採用されています。

オリンピックライセンスイベントとして銘打たれて、5月13日開始、6月23日終了のスケジュールで実施されます。
前回の記事で紹介した、「オリンピックアジェンダ2020+5」の推奨項目のひとつである「Encourage the development of virtual sports and further engage with video gaming communities」(仮想スポーツの開発を奨励し、ビデオゲームコミュニティとの関わりを更に深める)に沿って実施するとの事です。

あくまで既存種目(モーターレーシングはオリンピック競技化されていませんが、2024年パリ五輪にレーシングカートの競技化の動きがあります)を仮想化したものを、e-sportsとしてオリンピックでは取り上げる姿勢で、既存のスポーツ競技とは関係無いe-sportsの人気タイトルである「LOL」や「DOTA2」等をオリンピック競技化する動きには今の所ならないようです。
ただIOCがターゲットとする若者層を取り入れるためにe-sportsを利用するならば、既存の人気タイトルを何らかの形でオリンピックに組み入れないと難しいのではないかと思います。
まずはこのOVSを開催することによって今後のe-sportsとの取り組みを模索していくのでしょうが、何はともあれ数年来言われ続けていたe-sportsとオリンピックの関わりの第1歩が始まることになりました。今後の動きが注目されます。

参照サイト:https://olympics.com/ioc/news/international-olympic-committee-makes-landmark-move-into-virtual-sports-by-announcing-first-ever-olympic-virtual-series

文責:土田耕平