先日IOC(国際オリンピック委員会)から、今後5年間のオリンピックの戦略的ロードマップとなる「オリンピックアジェンダ2020+5」が発表されました。
全部で15項目の推奨事項に中の一つにe-sportsに関連する項目がありましたので、今回はそれを紹介して今後IOCがe-sportsとどのような関わりを持とうとしようとしているのか考察してみます。
e-sportsに関わる項目は以下の文章として記載されています。
「Encourage the development of virtual sports and further engage with video gaming communities」
(仮想スポーツの開発を奨励し、ビデオゲームコミュニティとの関わりを更に深める)
e-sportsではなく、あえてvirtual sportsと記載してその開発を奨励すると言っています。ここから読み取れるのは既存のe-sportsに採用されているゲームタイトルを、そのままオリンピックの競技化(アジア競技大会のようなスキーム)するのではなく、陸上競技など既存のオリンピック競技をゲーム化、ヴァーチャル化してオリンピックプログラムの一環として取り入れる方向性をIOCは考えているのではないだろうかということです。
開発自体はIOCでは出来ないので、どこかに開発させるとしてもIP(知的財産権)自体はIOCが保持して自分たちでコントロール出来るようにしておきたい。
そんな意図があるのではないかと当サイトでは推測しています。
e-sports的なものを取り込むことによって若者層がオリンピックに興味を持つようにさせたいというのはわかりますが、彼らはあくまで「フォートナイト」や「LOL」、「ハースストーン」など自分たちの好きなゲームタイトルに興味があるだけなので、「オリンピックの競技をヴァーチャル化しました、e-sportsです。」といっても、特に興味を惹くことは出来ないような気もします。
今後、IOCと既存のe-sportsステークホルダー、そして選手とユーザーとがオリンピックにどのように関わってくるのか、引き続き当サイトでは色々な情報を皆様にお知らせしていきます。
参照サイト:IOC EXECUTIVE BOARD PROPOSES OLYMPIC AGENDA 2020+5 AS THE STRATEGIC ROADMAP TO 2025
文責:土田耕平