e-sports先進国と言えば、アメリカ、中国などをイメージされる方が多いかと思います。以前、当サイトで各国のe-sports獲得賞金額を紹介しましたが、実は北欧各国もe-sports強豪国です。
各国でのe-sportsの大会は、当然のことながらそれぞれの国の言語で展開されています。メディアによる情報、大会の進行、選手同士の会話、ゲーム内での会話…至る所で言語は非常に重要なツールになっている為、日本にいながら最先端のe-sportsを理解するには、これらの国の言葉を習得する必要が出てきます。
また他のスポーツと同じようにe-sportsも共通言語としてはやはり英語が使われています。
ところが、我々にとって最も馴染みのある英語ですが、日本において中学校(2020年からは小学校)から必須科目となっているにも関わらず、どういう訳か殆どの日本人が苦手意識を持っています。むしろ苦手意識を通り越して、アレルギーに近いのではないかと思う程です。町中至る所に英文字を見かけますし、邦楽の歌詞にも英語が頻繁に登場します。それなのに、欧米人に街で道を聞かれるだけでしどろもどろ…客観的に見て不思議な状態となっています。
長年必須科目として勉強している英語ですらこの様な状況ですので、それ以外の外国語に関しては、しっかりと勉強されている方は除き、その抵抗感は推して知るべしと言った所です。
かく言う筆者も典型的な受験英語を学んできた口で、幸い仕事の実践に置いて多少は鍛えられた事により、アレルギーはなんとか克服できたかなというレベルです。その経験を通して思う事は、読み書きはある程度出来るのに対し、スピーキングとヒアリングが極端に出来ないと感じます。思い返せば、その2つは余り授業で習わなかったと記憶しています。
日本は察しの文化であるのに対して、欧米は個人主義で自己主張が強い…そんな事が良く言われますが、自己主張に必要なツールである、スピーキングが弱いというのは、英語学習に置いて致命的であると思います。
e-sportsに話は戻りますが、例えば日本に居ながらにしてe-sportsの世界で活躍したければ、ゲームによっては日本語に対応してないものも多数あります。
また、日本語対応されていても、海外サーバーでゲームプレイする際に、他プレイヤーと日本語以外でコミュニケーションする場面も出てくると思います。
外国語に拒絶反応をしがちな日本人にとって、まずここがハードルになります。
また、海外の大会に参加しようとした場合、エントリーが日本語対応していない場合が多いかと思います。そして、大会で勝ち残っていくプロセスで、日本語しか話せない事がどれだけハンデになるかは想像に難しくないと思います。
世界から遅れを取っていると言われている日本のe-sports。その要因は色々ありますが、このような言語の壁というのもひとつの大きな要因なのかもしれません。語学を「お勉強する」のではなく、海外プレイヤーと腕を競っていたら自然にその国の語学を使えるようになった。
そんな若いプレイヤーがどんどん出てくるようになってもらいたいものです。
文責: 神名秀紀