英語サイトであるが、海外のe-sportsビジネスについてわかりやすくまとめていたサイトがあったので、紹介をしつつ現在のe-sportsビジネスについて簡単に説明をしていきたい。
参照サイト
THE ESPORTS OBSERVER
An Introduction to the Esports Ecosystem
e-sportsを他のスポーツ競技と比較した場合に、開発者(developer)や提供者(publisher)が存在しているのが大きな違いである。
野球もサッカーも競技そのものの権利者はいない(興行主としての権利者〈オーガナイザー〉はいる)のに対して、「League of Legends」はRiot社「DOTA2」はValve社といったようにタイトルの権利者が存在している。
また大会によっては開発者/提供者が大会主催をしたりする事もあり、他スポーツのFIFAやMLBのような独占的なオーガナイザーがいないので、関連する人、企業群が多くなる傾向にある。
全体の流れは以下のようになっている
・チーム(グループ・個人)
↓プレイ
・ゲーム
↓大会許諾
・オーガナイザー
↓配信許諾
・ディストリビューター
↓配信
・一般視聴ユーザー
オーガナイザーは配信だけでなく、会場に有料入場者をいれてその収益も得る。
また前述の開発者/提供者、そしてチームや大会へのスポンサー企業、イベント出資者などが、 e-sportsシーンを構成する人たちである。
e-sportsチームは複数のグループを構成して、様々なゲームに対応しており、
その出自は様々である。今後は更に高度に組織化されたり、既存のスポーツチームがe-sportsチームを新設するなどによって、チームそのものの数はさらに増加していくのは間違いない。
DOTA2大会の高額賞金など賞金額の高さが話題となるe-sportsシーンだがチームの収入の大部分はスポンサーフィーである。サッカーのナイキやアディダスのシューズのように、スポンサーのハードウェアや周辺機器を独占的に使用するといった形態もある。
ハードウェアや周辺機器メーカーはチームあるいは大会へのスポンサードによって、一般視聴しているユーザーが、よりよい環境でゲームをするために、商品を購入して大幅に売上が伸びるといった事もおきており、今までになかった消費者グループが出現してきている。
このように海外ではすでにエコシステムが確立されており。動いて落ちるお金の額も大きいので、どんどん参入者が増えて、市場の拡張が進んでいる。
基本的なビジネスのシステムは日本でも同じ流れがあり、お金も少しづつ回っているが。まだまだ圧倒的に母数が少ないのが現状である。
e-sportsjapan.infoでは、こういった海外e-sports事情の紹介や日本でe-sports普及を阻んでいる様々な要因などを多角的に取り上げていきたい。
文責:土田耕平